婚姻届に印鑑を押す場合、万が一書き間違いをしてしまった場合も安心の「捨印」。2021年に戸籍法が改正され、婚姻届の押印義務がなくなりましたが、捨印はどうすればよいのでしょうか。
今回は婚姻届に押印する「捨印」にフォーカスを当て、捨印を押すところがない場合や、捨印を失敗してしまった場合の対処法などを解説していきます。婚姻届の押印について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼婚姻届の印鑑全般に関することを詳しく知りたい方はこちら。
婚姻届に押す「捨印」とは、万が一自分たちが記載した内容に間違いがあった場合、役所側に訂正権限を与えるための印鑑です。
婚姻届のように、自分たちの手元から離れた書類は訂正するのが難しい場合もあります。捨印は、間違いを見越して「前もって押しておく訂正印」の役割を果たすものです。
2021年9月1日に施行された、戸籍法施行規則の一部改正により、婚姻届への押印が任意となり、署名だけで届けられるようになりました。そのため、捨印に関しても押す必要はありません。
押印せずとも、入籍する夫婦で役所の開庁時間内に提出しに行く場合は窓口で修正することが可能。土日や時間窓口で提出した場合で、万が一不備があっても、小さな不備なら電話で対応してもらえます。
ただし、必要な書類が足りないなど、大きな不備がある場合は後日再提出となり、結婚記念日が変わってしまう可能性もあるので注意が必要。心配なら事前に役所に行き、記入した婚姻届と書類に不備がないかチェックしてもらい、後日提出するという手もあります。
婚姻届の捨印を押印する場所は、「捨印欄」の有無によって異なります。2021年9月1日に、婚姻届を含む戸籍届書の押印義務がなくなったのにあわせて、戸籍届書の様式も改正されました。
そのため、現在の婚姻届に捨印を押す部分はなくなり、署名押印欄にも注記で「※押印は任意」という文言が加えられています。
新様式で捨印欄がない婚姻届の場合で、形式として押印をしたい場合は、枠外の余白に「※捨印」と記入し、2人の印鑑を押印しましょう。
もし、押印したい場合、捨印の場所の指定は特にはありませんが、夫婦の氏名・生年月日の記入欄、もしくは署名押印欄の左側にある余白が妥当です。
また、証人の捨印欄は旧様式であってもないため、証人に関しても押印しなくても構いません。
一方、旧様式の婚姻届でも使用可能で、当分は受理してもらえます。婚姻届に捨印欄がある場合は、「〇字訂正〇字加入〇字削除」と書かれた下の「届出印欄」に、2人の旧姓の印鑑を押印しましょう。新様式と同様、押印はしなくても受理してもらえます。
婚姻届に押印したい場合には朱肉を使うため、かすれ・逆さ押し・欠け・にじみ・二重など失敗する方も多いのではないでしょうか。
捨印の失敗とは、一般的に印鑑の氏名が判読できない状態になってしまったり、印影が欠けてしまった状態を指します。しかし、押印が任意となった現在では、押印に失敗してしまっても問題なく受理されます。
もし捨印を失敗してしまった場合で、押し直す場合は、押し間違えた印影の横にしっかり押印。なるべく枠内に収めるのがベターですが、大幅にはみ出さなければ問題ありません。
ただし、修正液や修正テープで修正するのは、いかなる場合でもNG。場合によっては再提出となってしまう場合があるので注意しましょう。
婚姻届の印鑑の押印失敗や、押印する場所を訂正したい場合は、押し間違えた部分に二重線を引き、枠内の余白部分に正しい印鑑を押しましょう。
戸籍法改正前は、婚姻届にはシャチハタやゴム印は使用できず、実印や銀行印、認印である必要がありました。シャチハタなどの浸透印は大量生産されているのに加え、経年劣化によって消えやすいため。また、ゴム印は経年劣化によって印影が変わってしまう可能性があるためです。
しかし、婚姻届の押印が任意になった現在は、シャチハタやゴム印で押印しても受理はしてもらえます。しかし、行政へ届け出る大切な書類であることには変わりないため、印鑑を使いたい場合は従来通り、朱肉を使う実印・銀行印・認印を使用し、シャチハタやゴム印は避けるべきです。
婚姻届の捨印は必ず押さなければならないものではありません。しかし、役所に提出する重要な書類であることには変わりありません。押印する場合は失敗には気をつけ、もし失敗した場合も修正液や修正テープの使用はNGです。
押印したい場合は、失敗しないように、あらかじめ朱肉をしっかりと付け、押印の練習をしておくのがおすすめです。婚姻届は大事な公的書類。希望日に入籍するため、丁寧に記入しましょう。