招待された結婚式を欠席することになった、結婚式をしないと聞いたけれどご祝儀を郵送したい。しかし、マナー違反にならないか心配という方は、多いのではないでしょうか。
今回はご祝儀を郵送する際の注意点や金額相場、現金書留で送る際のマナー、一緒に添えるメッセージの例文などをご紹介。ご祝儀や結婚祝いを郵送しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
結婚式を挙げる新郎新婦に対して、基本的には当日参列した際に受付でご祝儀を渡します。そのご祝儀を郵送することは失礼にあたらず、問題ありません。
ただし、やむを得ず結婚式を欠席する場合や、結婚の知らせは受けたものの呼ばれなかった場合、また、結婚式を挙げない「ナシ婚」の新郎新婦へ送る場合など、「直接結婚式で渡せない事情がある場合」に限ります。
また、ご祝儀を郵送する場合には、専用の封筒で送る、ポストには投函しないなど、守るべきマナーがあるので注意が必要です。
現金を送ることが味気ないと思う心配はありませんが、気になるようなら結婚祝いのプレゼントを送るのも手。特にナシ婚の夫婦に向けては、現金ではなく、商品券やプレゼントを郵送する方も多くいます。
ご祝儀を郵送する場合の金額相場は、結婚式に参列する場合の相場とは少し異なります。
一般的に、結婚式に参列する場合のご祝儀相場は、関係性・立場・年齢によって3~10万円が相場。
一方で、ご祝儀を郵送する場合は、相手との関係性のほか、パターンによって相場が異なります。
たとえば、結婚式の招待状が送られてきたものの、「欠席」で返信した場合や呼ばれていない場合は、5,000円~1万円が相場。10万円以下の場合、偶数や「苦」を連想させる9万円は避けましょう。
結婚式の招待状には「出席」と返信したものの、欠席することになった場合は
・式の2週間前まで:参列する場合の半額や3分の1
・式の2週間前以降~当日:参列する場合の全額
を目安として送ります。あらかじめ欠席が分かっている場合は料理や引き出物などをキャンセルできますが、直前になるとキャンセルできないことが多いためです。
直前にやむを得ず欠席することになった場合は、新郎新婦が落ち着いたころに、直接会ってお詫びとともにご祝儀を渡すのもよいでしょう。
あらかじめナシ婚や、結婚式への欠席が分かっている場合、呼ばれていない場合、ご祝儀はいつまでに郵送すればよいのでしょうか。
もし、結婚式を挙げる場合は招待状を受け取ってから、結婚式の1~2ヵ月前までが妥当です。遅くとも、式の1週間前までに送りましょう。
ただし、結婚式に呼ばれていない場合、ご祝儀を郵送するのは挙式後の落ち着いた2~3週間後にするのがベター。新郎新婦が招待していないことを気にしてしまうことがあるためです。
ナシ婚の場合は結婚の報告を受けてから1ヵ月以内が目安。また、届く日付を大安の日にするなど、配慮できるとより丁寧です。
ご祝儀をそのまま封筒に入れて送るのはマナー違反。郵送する場合もご祝儀袋に新札を入れるのがマナーです。
お祝いごとのため、折り目やしわがあるお札はNG。金融機関の両替機や窓口で、新札に取り替えてもらえたり引き出したりできます。あらかじめ用意しておきましょう。
ご祝儀袋を選ぶ際は、水引の数は10本で「結び切り」「あわじ結び」「梅結び」のモノ、といったマナーがあります。
ご祝儀袋を用意したら、濃墨につけた筆や黒い筆ペンで表書きや名入れをしましょう。中袋にも、金額を「金○萬圓」と旧字体で書き、住所や氏名もしっかりと記入し、お札の表面を上にして入れます。
最後に、結婚は慶事のため、上包みの裏の折り返しの重なりを、下側が上になるようにして水引を通しましょう。
また、お祝いを書いたメッセージカードや便箋などを用意しておくとより丁寧です。
ご祝儀やメッセージカードが用意できたら郵便局に行き、郵送するための準備をしましょう。
ご祝儀(現金)は普通の封筒では送れず、必ず現金書留としなければなりません。そのためには、「現金書留用封筒」を購入する必要があります。販売価格は21円で、全国の郵便局で購入が可能。コンビニなどでは購入できません。
現金書留用封筒の様式は2021年に変わっており、お届け先と依頼主の住所書き込み欄のほか、封筒の上下2か所に署名または割り印をします。メッセージカードや便箋なども同封して問題ありません。
現金書留用封筒にご祝儀袋を入れ、すべて記入して封をし、押印したら郵便局に備え付けてある「書留・特定記録郵便物等差出票」に必要事項を記入し、窓口に出して郵送してもらいます。
一般的な郵便にかかる基本料金に加え、435円が必要です。(損害要償額1万円までの場合)
平日日中は忙しくて出しに行けないという方は、土日祝日・夜間にやっている「ゆうゆう窓口」でも現金書留の差し出しが可能。郵便局のホームページで取り扱い店舗を検索できます。
ご祝儀を現金書留用封筒に入れて郵送する際に、メッセージカードや便箋にメッセージを書いて入れるとより丁寧な印象を与えられます。
お祝いごとなので、終わりや区切りを意味する「。」「、」や、「終わる」「別れる」「重ね重ね」などの忌み言葉、重ね言葉は避けましょう。
また、結婚式に欠席する場合は、体調不良や妊娠など、できる限り理由を添えると丁寧。コロナ渦の場合は高齢者や子供が同居している、会社からの自粛要請があるなど「本当にやむを得ず欠席する」と分かるような理由を添えるのがベターです。
新郎新婦が友人の場合と、上司など目上の相手の場合に分けて、具体的な文例をご紹介します。参考にしながら、気持ちのこもったメッセージをしたためてみましょう。
【ナシ婚や結婚式に呼ばれていない場合】
この度はご結婚おめでとう!
○○ちゃんの結婚報告は 自分のことのように嬉しかったです
今度ゆっくり会ってお祝いさせてください
ささやかなお祝いの気持ちを同封しました
ぜひ使ってね!
【結婚式に欠席する場合】
この度はご結婚おめでとうございます!
結婚式にお招きいただきありがとう!
せっかく招待してもらったのに
仕事で長期出張が決まっていて 参加できずごめんね
これはささやかな気持ちなので
どうぞ受け取ってください
【ナシ婚や結婚式に呼ばれていない場合】
この度はご結婚誠におめでとうございます
○○さんの結婚のお話を聞いたときは 自分のことのように嬉しかったです
ぜひ幸せな家庭を築いてください
ささやかなお祝いの気持ちを同封いたしました
どうぞお受け取りください
【結婚式に欠席する場合】
この度はご結婚おめでとうございます
先日は結婚式にご招待いただき誠にありがとうございます
親族の結婚式の日と重なり 参加できず残念です
ささやかな気持ちを同封いたします
どうぞお納めください
現金書留専用封筒のサイズは、「現金封筒」と「大型現金封筒」の2種類があるので注意が必要。料金は2種類とも21円と同額です。
小さめのご祝儀袋なら、「現金封筒」でも入る場合もありますが、大きい水引がついたモノの場合、入りきらない場合もあります。
ご祝儀を郵送する際は「大型現金封筒」を購入するのがベター。迷ったら実物のご祝儀袋を持って、郵便局の窓口で相談しましょう。
現金書留は郵便法によって、現金書留は普通郵便や宅配便などでは送れないため、ポストに投函してはいけません。
必ず郵便局の窓口、もしくは時間外窓口「ゆうゆう窓口」でご祝儀の差し出しをしましょう。
損害要償額とはご祝儀を郵送している最中に万が一、失くしたり毀損したりした場合に、差出人が申し出ていた金額を賠償してもらえる制度。
現金書留は50万円が上限で、何も申し出なければ1万円まで。よって、ご祝儀として大金を包む場合は、損害要償額の申し出をしましょう。5,000円ごとに+10円で申し込みが可能です。
また、書留には当日中の再配達や休日配達をしてもらえるほか、郵便追跡サービスで配達状況が分かるなどのメリットがあります。サービスを活用して、無事にご祝儀が相手に届いているか確認しましょう。
ご祝儀は結婚式に欠席する場合や、呼ばれていない場合、式を挙げない場合なら郵送してもマナー違反にはなりません。
ただし、ご祝儀袋や現金書留専用封筒に入れて送るなど、いくつかのマナーがあります。また、メッセージなども一緒に入れて送ると新郎新婦にも喜んでもらえます。本記事を参考に、ご祝儀を送る際は礼儀やマナーをしっかり押さえておきましょう。