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神前式とはどんな結婚式?費用・流れ・衣装・髪型について徹底解説

2022.03.30
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日本で古くから行われている、伝統的な結婚式のスタイル「神前式」。そもそも神前式はどんな挙式スタイルなのか、どんな流れで行われるのか、どんな衣装や髪型があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、神前式の場所や費用、流れ、花嫁衣裳、髪型などについて徹底解説します。これから神前式や和装婚を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

神前式とはどんな結婚式のスタイル?

神前式とはどんな結婚式のスタイル?

神前式とは、神社などの神殿で神様に2人の結婚を報告する儀式を行う、日本の伝統的な結婚式のスタイルです。

神前式の始まりは、明治33年大正天皇のご成婚を記念して、日比谷大神宮で行った慶事とされています。その後、一般的に神前式が行われるようになったのは、第二次世界大戦以降です。

「三三九度の儀(三献の儀)」や「玉串奉奠」などを通じて、これまで2人を支えてくれた方々や、2人の出会いというご縁に感謝し、神様の前でこの先の人生を2人で歩んでいくことや永遠の愛を誓い合います。

神前式は神道、つまり日本人の心を大切にするもの。よって、神前式は結婚する2人の心をつなぐのはもちろん、家族同士の心と心をつなぐものでもあります。

神前式と人前式の違い

神前式と人前式の違い

神前式と人前式は響きも似ているため、どう違うのか分からない方もいるのではないでしょうか。

神前式は文字通り神様の前で結婚の報告をし、愛を誓う儀式です。人前式は宗教や格式に決まりはなく、ゲスト全員に向けて結婚を誓う結婚式のスタイルと大きく違います。

人前式よりもゲストとの距離が近く、費用を安く抑えることも可能。一方で、自由度が高いため式の進行を考えるのに時間がかかるなどのデメリットもあります。

神前式のメリット

伝統的な日本の結婚式ができる

伝統的な日本の結婚式をできる

日本の伝統的な行事を体感できるのが、神前式の大きなメリット。神社での挙式は120年以上前に始まり、永い間伝承され続けている神聖な儀式です。

厳かな緊張感と心が清らかになるような雰囲気のなかで結婚式ができます。また、和装は神社にもよく映え、ウェディングドレスとはまた違った、凛とした美しさを魅せられます。

夫婦や家族の結びつきを実感できる

夫婦や家族の結びつきを実感できる

神前式では、親族同士が盃を交わすことで親族の契りを交わす「親族盃の儀」や、新郎新婦が3つの盃で御神酒を交わす「三三九度の儀」、2人で玉串の根元を神前に向けて供える「玉串奉奠」など、夫婦2人で行うものが多く、家族の結びつきを強める儀式が複数あるのもメリット。

緊張感のなかでする儀式は、一生の思い出に残るでしょう。また、新郎が神前で結婚の誓いを述べる「誓詞奏上」の儀式により新郎が活躍する場も見られます。

結婚式後に神社と永い付き合いをしやすい

結婚式後に神社と永い付き合いをしやすい

神社は身近な存在で、初詣のほか、子供が生まれた場合にお宮参り、七五三などお世話になる場面は多いものです。

結婚式を挙げた神社とは、永いお付き合いを続けやすくなるのも神前式の大きなメリット。足を運びたいときに、いつでも訪れることが可能です。人生の節目のイベントを、同じ神社で経験できるため、思い出を重ねられます。

神前式ができる場所

神前式ができる場所

神前式は、神社で行うカップルが多数ですが、ホテル内や結婚式場内に神殿が設けられているところも多く、その神殿で行うことも可能です。

寺で結婚式を行う場合は「仏前式」となり、神前式とは流れや儀式の内容が大きく異なるので、注意しましょう。

また、親族しか列席できないというルールはなく、収容人数内であれば友人などにも列席してもらえます。

会場選びのポイントを解説

会場選びのポイントを解説

神前式の会場を選ぶ際は、いくつか押さえておかなければならないポイントがあります。まず、以下のチェックポイントから、神前式ができる会場を探しましょう。

・神前式の列席人数
・予算
・希望の開催時期に空いているか
・式場のアクセスや駐車場
・披露宴会場の場所

必須条件をチェックして、空いている式場を絞り込んだら、さらに自分たちが希望する神前式が叶う式場を探します。

自分たちの望む式と神社・神殿の雰囲気が合っているか、参進や花嫁行列ができるか、希望する演出ができるか、悪天候時の対策は万全かなど具体的な希望条件を持って探すのがおすすめ。式場も探しやすくなるうえ、予算も計算しやすくなります。

また、挙式後の披露宴会場の場所も重要。敷地内に披露宴会場があるかをチェックし、ない場合は料亭・レストランなどにバスやタクシーを使って移動することになります。披露宴をどうするかも同時に決めておくのがベターです。

神前式にかかる費用

神前式にかかる費用

神前式を行うのにかかる費用は会場によってさまざま。合計で約40~50万円前後かかるのが平均です。

教会式や人前式などと異なるのは、初穂料・玉串料(ホテルなどで神前式をする場合は、挙式料に含まれる場合もある)として約5~20万円を神社に納める点。初穂料とは、神様への感謝として渡すお供えのことです。

神前式の場合は、神殿の使用料、神主や巫女への謝礼金などすべてを含めたお金を指すのが一般的。三進の儀、雅楽の生演奏、巫女の舞などオプション料金となるものもあるので、事前に確認しておきましょう。

ほかに、神前式にかかる費用は、衣装代・着付け代・ヘアメイク代・写真代などがあります。

初穂料自体は教会で結婚式を挙げる場合と比べ、安い傾向にありますが、和装の衣装代や着付け代は、ドレスよりも高くなる傾向にあるので、安さを重視する方は注意が必要です。

神前式を挙げるときの流れ・式次第

神前式とはどんな結婚式のスタイル?

実際に、神前式をどのような流れで行うか確認しておきましょう。神社によっては順番が前後したり、一部省略されたりと異なる場合があります

これから夫婦2人で人生を歩んでいく誓いと、これまで育ててくれた両親や親族に感謝の気持ち、これからお世話になる相手の親族との心をつなぐ気持ちなど、さまざまな想いを込めて式に挑みましょう。

1.手水の儀と三進の儀

神殿に入る前に、手水(ちょうず)の儀を行います。柄杓で左手・右手・左手の順に水をかけ、最後に左手に入れた水で口をすすぐことで、身を清めるのです。

そして、神主や巫女が先導し、次に新郎新婦、両家の両親、親族の順番に、神殿に向かって境内を歩いていきます。

2.着座して修祓を行う

神様の近くの拝殿に入ったら、神様から見て左手に新郎、右手に新婦が着座します。その後は、神主による修祓(しゅばつ)。罪やけがれを祓い、心身ともに清めることを指します。

神主が祓詞(はらいことば)を奏上した後、大麻(おおぬさ)で新郎新婦や列席者全員を祓い清めます。

3.斎主一拝して献饌

斎主一拝とは、挙式を始める前に、全員起立し神主に合わせて神様にご挨拶をすること。次に、神様へお供えすることを指す献饌(けんせん)をします。お供え物は米・御神酒・海の幸・山の幸などが一般的。神主が神様へお供えします。

4.祝詞奏上

祝詞奏上(のりとそうじょう)は、神主から2人の結婚を神様に報告すること。そして、神様のご加護を祈ります。

4.三三九度の儀(三献の儀)

三三九度の儀は、献饌の御神酒を神前から下げ、新郎新婦が盃を交わすことで、契りを結ぶ大事な儀式。三度に分けて三杯の御神酒を飲むため「三三九度の儀」といいます。

盃は大中小があり、現在は小から順番に新郎→新婦、次に中を新婦→新郎、最後に大を新郎→新婦の順番で行うことが多い傾向にあります。順番は神社によって異なることもあるので確認しておきましょう。

5.誓詞奏上

新郎が神前で、夫婦として歩んでいく旨の誓いを奏上します。神前式では新婦に注目が集まりがちですが、新郎が活躍するのが誓詞奏上です。

6.玉串奉奠(玉串礼拝)と指輪交換

玉串奉奠では、玉串といわれる榊の枝に紙垂を付けたものを、「2人が夫婦として歩んでいく」という誓いを込めて神前に供えます。巫女から玉串を受け取り、根元を神前に向けて供えましょう。そして、2人で二拝二拍手一拝し、内回りで戻ります。

その後、巫女が運んできた指輪を、まず新郎が新婦の左手薬指に、新婦が新郎の左手薬指にはめましょう。

7.親族盃の儀(親族固めの盃の儀)

親族盃の儀は、新郎新婦と、その両親をはじめとした両家を結びつける儀式です。新郎新婦も含め、全員で御神酒が注がれた盃を飲み干します。

8.撤饌・斎主一拝

神様へのお供え物を下げることが撤饌(てっせん)。その後、無事に式が執り納められたことや、結婚を祝福していただいたことに対して、神様にお礼をする意で神主に合わせて全員で起立し、拝礼します。

神前式ではどんな演出をする?

前式ではどんな演出をする?

伝統的で、純和風の演出ができるのが神前式。「花嫁行列」ともいわれる参進の儀や、巫女の舞や雅楽生演奏(神楽奉奏・巫女舞奉奏儀)などは和の雰囲気を高められ、挙式をより華やかなものにできる演出です。

披露宴では、ボールブーケ・水引ブーケ・扇子ブーケといった、和装に合うようにアレンジされたブーケを持ったり、番傘を持って入場したりと、小物の種類は多種多様。

また、和装に合う披露宴の演出として、鏡開きや水合わせの儀、だるまの目入れをするなどさまざまなアレンジができます。

神前式で着る花嫁衣装はどんなモノ?

白無垢

神前式で着る花嫁衣裳のなかでも、最も格式高いとされるのが白無垢。掛下と打掛ともに真っ白な和装です。

素材は、天然絹を使った正絹(しょうけん)から化学繊維まで、柄は鶴屋法皇、松竹梅が刺繍されているモノなどさまざま。和装婚では絶対着たいという花嫁が数多くいます。

白無垢の白い色には、純潔という意味のほか、邪気を払う、何色にも染まりやすい色=嫁ぎ先の家に染まるという意味があるのがポイント。神様に仕える人々の衣服が白であることから、結婚式という神聖な儀式の衣装となったともいわれています。

色打掛

色打掛は、その名の通り、色が入った和装衣装。元々武家女性が下に着ていた着物でしたが、江戸時代に豪商などの間で主流となり、礼服と認識されるようになりました。

嫁ぎ先の色に染まったという意味があるため、色打掛は白無垢の次に着るモノ。色打掛を着たら白無垢は着られないというマナーがあるので注意が必要です。

神前式では白無垢を着て、披露宴などで打ち掛けのみを色打掛に変えるという花嫁も多くいます。

引き振袖

引き振袖とは、成人式で着るモノよりも裾が長い振袖のことを指します。また、裾にふき綿が入っており、裾を引いて着るのが特徴。江戸時代に、上流階級の花嫁衣裳として親しまれていた和装です。

打掛に比べると動きやすく、すらっとしたシルエットを出せるのが魅力。振袖は未婚女性の正装のため、神前式が振袖を着る最後のチャンスとして選ぶ方も多い衣装です。

神前式はどんな髪型にする?

文金高島田

文金高島田とは島田髷の種類のひとつです。根を挙げて髷を高い位置に取り付けた髪型で、江戸時代の未婚女性の最も上品とされる髪形。気品あふれる凛とした雰囲気を出せます。

地毛で結う方法のほか、全かつらや半かつらといったスタイルもあるため、ショートカットでも文金高島田を選ぶことが可能。神前式では選ばれることが多い髪形です。

洋髪

和装でも人気スタイルとなっている洋髪。和モダンな雰囲気を出せます。ヘアアクセサリーや髪型のアレンジが自由で、かつらなどのレンタル料もかからないため、費用を安く抑えられるのがメリットです。

洋髪は格式高い神社・神殿で神前式を行う場合、綿帽子の着用が必須だったり、そもそも伝統的な文金高島田スタイルでないと挙式ができなかったりすることもあるので注意が必要。

神前式では文金高島田で、披露宴で洋髪にチェンジして変化を持たせるのもひとつの手です。

被り物は綿帽子か角隠し

綿帽子は文金高島田を結った髪に被る、丸みを帯びた袋状の帽子のこと。白無垢のみに合わせられる帽子です。神前式の挙式中、新郎以外に顔を見せない意味があります。

一方で角隠しは、綿帽子と同様文金高島田を結った髪に被る帯状で幅が広い布ののこと。角隠しは色打掛や引き振袖にも合わせられる被り物です。

神前式を挙げた後の披露宴について解説

神前式を挙げた後の披露宴について解説

神前式の後に、披露宴を挙げたり、会食を希望する新郎新婦も多いもの。ホテルや専門式場の場合はプランに披露宴やその会場まで組み込まれていることもありますが、ない場合は別途会場を手配する必要があります。

神社の場合は、神社の敷地内に会場が併設されている場合があるので確認しましょう。ほかにも、別の敷地にある会場や料亭、レストランなどで披露宴を行う方法もあります。

別会場で披露宴を行う場合は、神前式を挙げる神社から披露宴会場までの距離を確認し、ゲスト全員分のバスやタクシーの手配も忘れずにしましょう。

日本の伝統的な神前式で心をつなぐ式にしよう

日本の伝統的な神前式は、2人の心や親族同士の心をつなぐ結婚式のスタイル。凛とした和装のきれいなたたずまいが美しく、人気の高い結婚式です。

花嫁衣裳には白無垢や色打掛があり、髪型も文金高島田や洋髪などさまざま。費用は教会と比べると安く済む傾向にありますが、衣装代やヘアセット代はドレスよりも高い傾向にあるため、よく検討して選びましょう。

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