結婚式や入籍を無事終えて、結婚したことや新苗字、新住所などを報告するための「結婚報告はがき」。そもそも一体どんな内容を書いたらよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、結婚報告はがきはそもそもどんなものなのか、出した方がよいものかを解説。また、パターン別の文例やデザインのテンプレートなども紹介するので、参考にしてみてください。
結婚報告はがきは、その名の通り周りの人たちへ「私たちは結婚しました」と報告するはがきのこと。特に親戚や上司を含めた会社関係の方々など、お世話になった人たちに、改めて結婚をした旨を伝えるための役割があります。
それだけでなく、新住所や新しい苗字をしっかり報告したり、結婚式に参加してくれた人にはお礼を伝えたりする役割もあります。また、結婚式の後に出産した場合は、結婚と出産の報告を兼ねることも可能です。
結婚報告はがきは、結婚式に招かなかった方や、年賀状をやり取りしている方に対して、結婚したことを伝えるためのマナーであるため、送るのがベター。特に親戚・恩師・上司など目上の方に対してはより畏まったはがきを送るのがおすすめです。
親しい友人相手であれば、LINEなどのSNSでの報告、会社の方など直接会う機会が多い方へは直接の報告で構いません。また、親戚や会社の人、親しい友人など多くの人を結婚式に招き、自分たちの結婚を知っているという場合、結婚報告はがきを送らないケースもあります。
結婚報告はがきを出すタイミングは、基本的に婚姻届の提出後、もしくは結婚式後1〜2ヶ月以内。入籍から結婚式までの期間が開く場合は、婚姻届提出後に出すのがよいでしょう。
近年では、結婚式を挙げたもしくは入籍した翌年に、年賀状と結婚報告はがきを兼ねる方も多数。年賀状として送る場合は、タイミングに関してはあまりシビアにならなくてよいでしょう。
年賀状を出す時期が遠すぎる場合は、暑中見舞い・残暑見舞い・寒中見舞い・余寒見舞いなどで報告する手もあります。
まず、結婚報告はがきに必ず入れた方がよい内容は、大きく分けると主に以下の4つです。
①冒頭の一文(前文)
②本文(結婚報告や入籍日など)
③結びの挨拶文
④住所(新婦は下の名前のみ)と2人の名前
具体的にどんなことを書けばよいのか、順番に解説していきます。
結婚報告の前に、まずは時候の挨拶などから書き出します。時候の挨拶は、季節や月ごとに変わる、日本ならではの手紙の書き出しのマナーです。
かしこまった内容にしたい場合は、「拝啓 ○○の候」+書き出しの組み合わせが一般的。○○に入る言葉は、1月から順に初春・立春・早春・陽春・新緑・初夏・盛夏・晩夏・初秋・秋涼・晩秋・初冬などさまざまなパターンがあります。
書き出しも季節によってさまざまなパターンがありますが、
・皆さまにおかれましては ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
・○○様におかれましては ますますご健勝のこととお喜び申し上げます
などがよく使われる書き出し文です。
また、
・Just Married
・We Got Married
など、結婚報告はがきのデザインによっては、英語を入れるのもおしゃれです。
冒頭文の次が本文です。「結婚しました」という旨と、入籍日や結婚式を挙げた日を報告します。
また、「未熟な二人ではございますが 力を合わせて幸せな家庭を築いていきたいと思います」
など、今後も2人でどんな家庭を築きたいかなどの抱負なども入れましょう。
最後に、
・お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください
・今後ともよろしくお願い申し上げます
・今後ともご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます
などの文章で結びます。最初に「拝啓 ○○の候」と書いた場合は「敬具」などで結ぶのを忘れないようにしましょう。
結びの挨拶の後に、住所と2人の名前を連名で書きます。新婦は下の名前のみで構いません。
結婚報告はがきの写真に関しては、1枚のみを掲載する方が多数。フォトウェディングや前撮りの写真を用いることが多いようです。
結婚式を挙げない場合や、フォトウェディングなどもしない場合は、日常の2人の写真でも構いません。
結婚式に来ていただいたゲストごとに写真を変え、そのゲストとともに写った写真を載せると喜ばれること間違いなし。余裕がある場合はおすすめです。
また、写真は必ず載せなければならないわけではありません。写真を載せるのに抵抗がある方は、写真なしのテンプレートを使い、おしゃれな結婚報告はがきを作ってみてください。
次に、具体的な結婚報告はがきの文例を10通りご紹介します。
なお、結婚関係の手紙なので、度々・近々など2つ同じ言葉が続く「重ね言葉」、切れる、別れる、冷めるなどの「忌み言葉」などは避けるのがマナーです。
終わりや切れ目などを意味する句読点も使わず、スペースや改行で対応しましょう。
拝啓 ○○の候
皆さまにおかれましては ご清祥のこととお慶び申し上げます
この度 〇月△日に結婚いたしました(結婚式を挙げました)
これからは二人で支え合いながら 温かい家庭を築いていきたいと思います
未熟な二人ではございますが 今後ともよろしくお願い申し上げます
敬具
先日はお忙しいなか 私たちの結婚式にお越しいただきありがとうございました
おかげさまで幸せな一日を過ごすことができ 感謝の気持ちでいっぱいです
未熟な二人ではございますが みなさまの温かいお言葉を胸に 笑顔の絶えない家庭を築いていきたいと思います
今後とも変わらぬお付き合いのほど よろしくお願い申し上げます
拝啓
○○の候 みなさまにおかれましては ご健勝のこととお喜び申し上げます
○月○日私たちは親族のみでささやかに結婚式を挙げ 入籍いたしました
下記住所に 住まいを移しましたのでご報告申し上げます
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい
これからも変わらぬお付き合いのほど よろしくお願い申し上げます
敬具
拝啓
○○の候 ○○様におかれましては ご清祥のこととお喜び申し上げます
私たちは〇月〇日に入籍いたしました
※
これからは二人で支え合いながら 明るい家庭を築いていきたいと思います
下記に新居を構えましたので ご報告いたします
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます
敬具
※食事会などを行った場合
「挙式は行わず 親族で食事会のみ行いました
ご報告が遅れてしまい 申し訳ございません」
などを追加してもOK
拝啓
○○の候 ○○様におかれましては ご健勝のこととお慶び申し上げます
この度は 私たちの結婚に際し 過分なお祝いを賜りありがとうございました
これからは二人で支え合い 幸せな家庭を築いていきたいと思います
今後ともよろしくお願い申し上げます
敬具
拝啓
○○の候 皆様におかれましては ご清栄のこととお慶び申し上げます
私事ではございますが このたび〇月〇日に結婚いたしました
結婚に際しましては 多大なるご支援を賜り 心より感謝とお礼を申し上げます
今後も仕事と家庭を両立できるよう 精進していく所存です
今後ともご指導のほど よろしくお願い申し上げます
敬具
あけましておめでとうございます
昨年○月○日に結婚式を挙げ ふたりで迎える初めてのお正月となりました
未熟な二人ではございますが 今後とも末永くよろしくお願いいたします
寒中お見舞い申し上げます
寒さはこれから本番ですが 皆様にはお変わりございませんか
私事ですが 昨年〇月〇日に結婚いたしました
近くにお越しの際は ぜひお立ち寄りください
本年もよろしくお願い申し上げます
暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さが続きますが いかがお過ごしでしょうか
このたび 私たちは〇月〇日に入籍いたしました(結婚式を挙げました)
未熟な二人ではございますが お互い支え合い 明るい家庭を築いていきたいと存じます
今後ともよろしくお願い申し上げます
暑さ厳しき折柄 お体を大切にお過ごしください
We got married!
この度 〇月△日に結婚いたしました
これもひとえに皆(○○ちゃん)のおかげです!
これからは二人で 明るい家庭を築き上げていきたいと思います
今後ともよろしくお願いいたします!
結婚報告はがきは、パソコンなどでプリントしたモノや業者などに頼んだモノで大丈夫です。
加えて、相手と自分の関係性を考えて「ひとりひとりに向けた一言」を添えると気持ちが伝わり、より丁寧。
結婚式へ列席してくれた方へは感謝の意を、お手伝いを引き受けてくれた人にも一言で感謝を伝えるのがベターです。
具体的にどんな一言を添えればよいのか、文例をご紹介します。
・お忙しいところ 私たちの結婚式にお越しいただきありがとうございました
・結婚式へ来てくれてありがとう!会えて嬉しかったよ!
・受付を快く引き受けてくれてありがとう!
・素敵なスピーチをしてくれて本当にありがとう!
・感動するお言葉を賜り 誠にありがとうございました
結婚報告はがきは自宅のパソコンやアプリなどを使って作る方法のほか、お金をかけて専門業者に依頼する手もあります。
テンプレートは、シンプルでかしこまったモノから、おしゃれなモノ、きれいなモノなど千差万別。具体的にどんなデザインがあるのかをご紹介するので、結婚報告はがきを作る際の参考にしてみてください。
ナチュラルなデザインの結婚報告はがきに、2人のデートの様子をおさめた写真を何枚か載せるのもおすすめ。「入籍しました」の文字も分かりやすく、心温まるデザインです。
紅白で構成されており、おめでたいことがよく分かる結婚報告はがき。デザイン性のある「寿」の文字もおしゃれです。和装の写真とあわせるのに向いています。
和装の前撮り写真を載せて、和テイストに仕上げたデザイン。かわいらしさも感じられます。老若男女問わず受け入れられやすいデザインです。
和装の前撮り写真を大きく使い、文章はシンプルに抑えた結婚報告はがき。目を惹くデザインで、「結婚報告」兼「年賀状」ということが分かりやすいのがポイントです。
人気の「くすみブルー」と白文字を組み合わせたデザイン。シンプルながらさわやかに仕上がっており、おしゃれ。特に夏に入籍・結婚式を挙げたカップルにおすすめです。
2親等以内の親族が亡くなり、1年間の喪中の期間は、基本的に結婚報告はがきを出すのは控えるのがベター。年賀状を送るのも不謹慎であるとされるので、年賀状での結婚報告も控えましょう。
寒中見舞いや暑中見舞いといった、季節の挨拶としてはがきを出す際、近況報告も兼ねて結婚を伝える手があります。
ただし、喪中に関しては、家や地域などによってさまざまな考え方があるので、親などに確認しておきましょう。宗教によって喪中という概念がない、相手に気を使わせてしまうため、喪中であることを知らせる必要はないといった考え方もあります。
結婚報告はがきを作成する際、マナーに気をつけながら文章を考える必要があります。主な例として、「。」「、」つまり句読点をつけないというマナー。句読点は「終わり」や「区切り」を示しているため、おめでたい結婚報告に用いるのはふさわしくありません。
また、「去る」「終わる」「切れる」「負ける」「捨てる」といった忌み言葉や、「重ね重ね」「時々」「たまたま」「どんどん」などの重ね言葉も避けましょう。
結婚報告はがきは、普通の切手とはがきでも問題ありません。しかし、切手が印刷されている官製はがきではなく、私製はがきを使う場合、慶事用の切手を使う方が、よりおめでたさを出せます。
また、記念行事や人気キャラクターなど、通常の郵便物に貼るモノとは異なる「特殊切手」のうち、きれいな絵柄のモノを使うのもおすすめです。
結婚報告はがきは、自分たちの婚姻を伝えたり、結婚式のお礼を伝えたりと大事な役割があるモノ。結婚式を挙げる挙げないにかかわらず、送るのがベターです。
また、結婚報告はがきのさまざまな文例やテンプレートをご紹介しました。目上の相手にはかしこまった文章を綴ったモノ、友達にはおしゃれなモノなど、人によって結婚報告はがきを書き分けるのもOKです。本記事を参考に、結婚報告の文章を作成してみてください。